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2007年07月の記事
社長のコラム 一級建築士 竹沢 彰規
『住宅を売り買いするという発想』
私は同業他社の事業内容や活動を批判したり、他人を中傷したりするのをあまり好みません。
しかし、この住宅事業に身を置くものとして、『住宅を売り買いするという発想』だけは理解出来ないし、そのやり方にはついつい苦言を呈してしまいます。
最近ハウスメーカーや新興住宅ビルダーがテレビコマーシャル等で「建築棟数全国一」とか「販売戸数全国何位」とかのフレーズをよくうたっていますが、さて住宅とは売るものなのでしょうか?
ただただ数を売ればよい、1分でも1秒でも早く契約を交わす。そのためには派手なカタログと現実離れしたモデルハウスで錯覚を起こさせたまま、一気に契約に進める手法。
住宅雑誌などでよく聞く言葉で「営業マンがいい人だから契約しました。」
えっ!営業マンが大切な家を作ってくれるのですか?守ってくれるのですか?その営業マンは3年から5年の間に転勤してしまうのですよ。優秀な人ほど、全国の営業所から引っ張りだこで、その営業所を次々と巡り、出世していかれるのですから。
建築棟数を伸ばすためには工期を短くし、次から次へと着工しなくてはなりません。工期を短くする事は大工さんの手間を減らしてコストダウンにもなりますし。
《1日・日当いくら》で契約している当社の大工さんと違い、これらのメーカーやビルダーの大工さんは請負制でこの建物の大工工事を《1棟いくら》で請けていますから作業をじっくりやっていると日当になりません。休憩もそこそこに、どんどん作業を進めないと、それこそ普通の日当にならない程、厳しい単価で請け負っておられます。
また、その建物の中身も、シックハウスが絶対出るビニールクロスや合板フローリング、接着剤が一杯の新建材で作られた貼り合せのドア、などなど。
彼らの何よりも大切なコンセプトは《早くできて、クレーム少なく、見た目は均質に》なのです。これらの仕上げ材は工業製品ですから、全てが《簡単施工、メンテも簡単、見た目は均質に》というものばかりです。ですから私たちが標準仕様とする健康志向に則った、シックハウスとは無縁で調湿効果が高く、体に優しい無垢材の床材や漆喰などの塗り壁、無垢材でできたドアなどは逆に、《施工手間は約3倍、乾燥収縮でひび割れなどのクレームが出易い、見た目は生き物ですから不揃い》です。ですから数を進めなくてはならない、そして細かいクレームを出していられないメーカーさんでは到底採用できない代物なのです。
また監督さんもひとりで常に15~20棟を見ていると聞いています。え~、そんなに見られるもん?そうです。大工さんに任せて段取りを進めているのです。均一化、パターン化された図面、工業化された材料を使うからこんな事が可能になるのでしょう。当社のように建物ごと仕様が全く違っていると、とても不可能です。
最近テレビで宣伝している大手ハウスメーカーの《木造住宅》は柱や梁に《貼り合せの集成材》を使った住宅なのをご存知ですか?決して、世界最古と言われる築1400年の伝統を誇る《法隆寺》で使われている檜無垢材の木造建築ではないのです。
私はかねてから『住宅は施主様とご一緒に創るもの』と言ってきています。
決して「売ってチョン」「売れて良かった、ハイサヨナラ、あとは頼みますー」ではダメなのです。
こんなに世話のやける材料を使っているのですから、建てたあとからこそ、永い永いお付き合いが始まるのです。
批判する事を好まない私ですがこの事だけはお伝えしたいと思います。
あ~、大分スッとした!

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