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2010年01月の記事
社長のコラム 10.1月号 ≪その1≫
『社長が選ぶ今年の社長』 『戻る事、待つ事』
産業能率大学が昨年12月に実施した『社長が選ぶ今年の社長アンケート』でダントツの第1位に「ファーストリテイリング」の柳井正氏、2位に「トヨタ自動車」の豊田章男氏が選ばれた。
ここではダントツの柳井氏ではなく、2位の豊田氏の話です。
トヨタは昨年11月、F1からの撤退を発表した。2002年の初参戦から7年、年間数百億円といわれる参戦費用を「ブランド力強化」「技術開発」「人材育成」の御旗の元で、優勝さえできなかったが、世界のモータースポーツ界をリードしてきたのだが。
2年前のホンダに続いてこのトヨタまでもが撤退を余儀なくされ、世界3大スポーツと言われるF1のステージから《日の丸》が消える。
*世界の3大スポーツ : オリンピック、サッカーワールドカップ、F1
本当に残念ではあるが豊田社長はこの負担を軽減し、「本業に経営資源を集中させる」と語った。〈この世界一のトヨタでさえ、あのリーマンショックの痛手は大きく、世界で300万台以上の過剰能力を抱える生産拠点の統廃合や固定費の削減、為替動向に左右される体質の改善などの本業の課題は山積している。(産経新聞 11/5)〉
この撤退をどう捉えるか?
折りしもNHKで『夏の北アルプス あぁ絶景!雲上のアドベンチャー』という番組をやっていた。
この夏、登山家で有名な田部井淳子さんとNHKのアナウンサーが23日間にわたって北アルプスを縦走したときの模様でした。
驚いたのはアナウンサーの方は山登り初心者とは言え、バリバリ現役の40歳台に対して、田部井淳子さんは何と昨年70歳になられたベテランで、本当に23日間もの厳しい山登りに耐えられるんだろうかと思う私たちの心配をよそに、ついつい軟弱になりがちなアナウンサーをどんどんリードし、励まし、登って行くストーリーでした。
この番組の中で特に興味深かったのが、やっと頂上寸前の山小屋に到着し、さあ明日は念願の頂上征服という時に、天候が悪くなり足止めを食うという展開で、田部井さんが、「山登りは進む事も大事だが、このようにじっと待つ事も大切なのです。ここは我慢して待つのです。」といった言葉を発せられていたのです。
この言葉には、さすが世界7大陸の最高峰を極めただけの強さと重みがあり、登頂に気がはやるアナウンサーの心をグッと捉えていました。
そうです。世界一のトヨタでさえ、ここで我慢して、《待つ、戻る》選択をしなければならない局面があるという事なのです。
【勇気ある撤退】この言葉は何か事あるごとに言われてきていますが、人生にはこのような大きな選択と決断があるのです。
話を元に戻しますと、前述の『社長が選ぶ今年の社長』での豊田氏を2位に押し上げた大きな理由は「プリウス」に象徴されるエコカー推進はもとより、この「F1撤退」という彼にしかできない決断をきちんとした事が要因とされています。
冷静に判断できる【勇気ある経営】を進めます。
2010年1月号 代表取締役 竹澤彰規(一級建築士)








