暗くてもいい?
最初、総理の記者会見を見た時、私も「何と唐突な」と感じました。
そう、『浜岡原発の全面停止を要請』のニュースです。
この30年以内に発生する可能性が87%と言われる東海地震の発生震源域の中心部に位置する浜岡原発については、以前よりその危険性が指摘され続けています。
だからと言って突然思いついたようなこの要請は、何と場当たり的では?
もう少し順序立てて、電力会社を筆頭に、産業界や官僚の皆さん・国民の意見も聞き、丁寧な説明も為されるべきではないでしょうか。
元々は国策で進められてきたエネルギー政策の筈ではなかったのですか?
色々と疑問は残りますし、このひとのリーダーシップにはまたまた少し頭を傾げるところです。
でも、しかし、この決断は間違ってはいないとも思っています。
震災後、東京出張する度に思うことがあります。
最初東京駅に着いた時、思ったのは「うわ~、暗いなあ」でした。
節電のため、駅構内の照明は半減され、エスカレーターも止められていました。
地下街が暗いと、何か全てが暗くなってしまったような錯覚を覚えたのも事実ですが、東日本の人たちに接してみると、彼らは「もう、こうとなったら前を向くしかない。」と、自らを奮い立たせて必死で明るく振舞っていましたし、一生懸命前向きに行動を始めていました。
油断していると、私たち西日本の者の方が「材料が入らない。仕入れ価格が上がって来た。」とぼやいているのでした。 あちらの皆さんはこの程度の苦労ではない筈なのに。
さて『暗い街』に話を戻しましょう。
なるほど、東京電力管内の皆さんは節電のために、色々と策を練って対応されています。
でも暗いと駄目なのでしょうか。
皆さん思いません?
映
画などに出てくるヨーロッパの街並みはほの暗くて、店内から洩れる温かい灯りが何ともいい雰囲気だと思いません? みんなが早寝すれば素敵な星空が見える
のでは? ネオンサイン満杯の『不夜城』って必要ですか? オールナイトで遊ばなきゃならないの? 24時間買い物しなくちゃならないのですか? 早寝す
れば早起き出来て、通勤ラッシュを分散すれば、電車便数が減っても楽に出勤できるのでは? エスカレーターに乗らなければメタボから解放されるかも。
やっぱり無機質なジムの機械で走らないとダメですか? 寒ければもう1枚着れば? 暑ければうちわで扇ぎましょう。
みんなで、もう少し我慢しましょうよ。CO2 25%削減も結構早く達成できるかもね。
原発1基分の発電量は東京山手線内側全部にソーラーパネルを敷き詰めた大変な量だとも言われていますが、その議論の前に私たちが自ら出来る事はたくさんありそうです。
みんなで考えましょうよ。
平成23年6月号 竹沢建設株式会社
代表取締役 竹澤彰規(一級建築士)