社長のコラム '12.11月号(その1)

社長のコラム '12.11月号(その1)

≪Doggy Bag≫   
      
     

日経新聞の≪危機と日本人≫という連載コラムに『食べ残し天国日本』のタイトルの文章が出ていた。 
作者が最近食事の速度がめっきり遅くなり、会食の時などについ食べ残してしまうとのことだった。 そこで、作者はある環境NPO法人が作っている≪Doggy Bag≫を見つけた。 食べ残しの料理を入れて持ち帰るための紙製の容器だという。 

面白いのは、その「携帯用ドギーバッグ」と書いた横に大きな文字で『MOTTAINAI』と印刷してあるそうな。もったいない運動の一環だそうで、そのバッグにはこんな文字も。「日本の残飯排出量は世界一、EU諸国のなんと4倍」「食料自給率は40%」

『飽食日本!』『食べ過ぎ、食べ残し天国日本!』 どちらの店も食べ放題・飲み放題○○○円。 車内でも街なかでも若い人も含めてお腹がポッコリした人ばかりです。(言ってる本人も危ない?) 天下泰平もいい加減にしようという文面だった。

最近この『もったいない』という言葉が聞かれません。学生時代の合宿で、座禅修行に行った時に習った、ご飯粒をお茶で綺麗に洗い茶碗をすする作法を 今も行う私を見ても、我が子供らは平然と飯粒のついたままの茶碗を置いて「ごちそうさん」。 ああ、分かっとらんなあ。自分たちの教育はここまでかと、自 己反省の日々です。

さて先日『思わずポーンと膝を打った』記事。
作者が繁華街の居酒屋で。「えーと、日本酒ください」「冷酒ですか?熱燗ですか?」「ぬる燗くらいにして」「え、何すか?それ」。 別の日、和食の店で。「すみませーん、こちら酒、燗でね」「かしこまりました、6番テーブルに熱燗1本!」 

キンキンに冷やしたのかヤケドするようなのか二者択一ではオジサンは困ると。 

『膝ポーン』、そうですねん、そうでんねん、私もだいぶ前から同じ意見なんです。 最近日本酒のお燗をぜんぶ熱燗と呼ぶ店にしばしば出くわします。  その都度「ちゃうちゃう、燗言うてもぬる燗や、何でも熱燗ちゃうでえ。」そしてちょっと油断していると、とんでもないヤケドしそうな熱燗が出てくるので す。 

「冷やで1本」というと水が出てくる。「ちゃうがなちゃうがな、これはお冷やや、冷や言うたら冷や酒やがな。」「冷酒ですか?」「ちゃうがなちゃう がな、冷や言うたら一升瓶そのままのをコップに入れて来るんやがな。常温や、常温!」 美味しい酒肴を目の前にして、イライラしながらの説明です。一杯の 酒を頼むのも大変です。

酒席でお酌する時に「縮緬(ちりめん)で失礼」という言葉があるそうな。 歌舞伎界の隠語だそうですが、反物の寸法を測る時、縮緬だけは布地を置いたまま尺をとる。
つまり『置き酌』と同じ『置き尺』で、「話ばかりしていないで、こちらを向いて、酒の付き合いもしてください。置きつぎになってしまいます。」そんなホンネを柔らかく伝える美しい日本語だそうです。
 

犬用ではなく人間用の≪Doggy Bag≫、≪縮緬で失礼≫。
この素敵な洒落と日本語の美しさを、『受賞の知らせを聞いた時「洗濯機の修 理をしていた」と氏独特のお洒落なユーモア』との報道について、どう勘違いなさったのか「さぞ生活者としてお困りだろう」として一人当たり5千円から1万 円を集めて贈ろうとみんなで決めた、どこやらのお国の閣僚の皆さんに伝えたいものです。

              

  平成24年11月号 竹沢建設株式会社
  代表取締役 竹澤彰規(一級建築士)