そとん壁 メリットとデメリットについて解説

1.そとん壁とは?自然素材を活かした外壁仕上げ

そとん壁とは、火山灰シラスを主成分とした自然素材の外壁材で、南九州地方で採取されるシラス台地の土壌から作られています。
近年、健康志向や自然素材を重視する家づくりが注目される中で、そとん壁は独特の風合いや環境性能の高さから人気が高まっています。

そとん壁は、見た目に落ち着いた土壁のような質感があり、和風・モダンどちらの住宅にもよくなじみます。
さらに、左官仕上げにより職人の手仕事が感じられる外観になるため、オリジナリティを求める施主にも支持されています。

2.そとん壁のメリット1:高い耐久性とメンテナンス性

そとん壁の最大のメリットは、非常に高い耐久性です。
火山灰シラスは風化に強く、紫外線や雨風にさらされても劣化しにくい性質を持っています。
これにより、20年、30年と経っても美しい外観を維持しやすく、メンテナンス頻度も少なくて済みます。

また、そとん壁は無機質な素材であるため、劣化せず、新築時の耐久性が長く続く点も評価されています。
さらに静電気を帯びにくいため、ホコリや汚れが付きにくく、美観を長く維持できるのも特徴です。

一般的な塗装仕上げやサイディングと比較して、トータルでのランニングコストを抑えたい方にとって、そとん壁は非常に有力な選択肢と言えるでしょう。

3.そとん壁のメリット2:自然素材がもたらす健康・環境性能

そとん壁は化学成分を含まず、100%自然素材で構成されているため、健康面でも安心です。
特に小さなお子様やアレルギー体質の方がいる家庭では、建材に含まれる有害物質が問題になることがありますが、そとん壁はそういった心配がありません。

また、シラスは調湿性にも優れており、外壁だけでなく内装材として使用することで室内の湿度を自然に調整する効果もあります。(=薩摩中霧島壁)
これにより、結露の抑制やカビの発生リスクの軽減が期待でき、快適な住環境の形成に貢献します。

環境面でも、そとん壁は製造段階でのCO2排出が少なく、持続可能な住まいづくりに適した素材として注目されています。脱炭素社会を意識した住まいづくりを進めるうえで、そとん壁は理想的な素材といえるでしょう。

4.そとん壁のデメリット:施工費用と職人技術が求められる

一方で、そとん壁にはいくつかのデメリットも存在します。最も大きいのは施工コストの高さです。
そとん壁は左官職人による手作業で塗り上げる必要があり、その分工賃がかさむ傾向にあります。

また、技術のある職人でなければ施工にムラが出やすく、仕上がりの美しさに差が出るという点も注意が必要です。
施工する工務店や職人の経験値によって満足度が大きく左右されるため、依頼先の選定は非常に重要になります。

5.そとん壁が向いている住宅と施工事例

そとん壁は、ナチュラルテイストなデザインや和モダン住宅との相性が抜群です。
たとえば、漆喰や木材との組み合わせで自然と調和した落ち着いた外観を演出することもできます。

実際の施工例を見ると、地域密着型の工務店が手掛けた自然素材を活かした平屋住宅や、パッシブデザイン住宅との組み合わせが多く見られます。
特に高気密高断熱仕様とそとん壁を組み合わせることで、住宅性能と高いメンテナンス性能を両立させた住宅が実現できます。

さらに、そとん壁はカラー展開が複数あり、外観のバリエーションにも幅があります。
グレー、ベージュ、ホワイト系など自然な色合いで構成されており、周囲の景観になじみやすいのも魅力の一つです。

6.そとん壁の採用を検討する際のポイント

そとん壁を導入する際は、施工実績のある信頼できる工務店を選ぶことが最重要です。
そとん壁は左官仕上げであるため、腕のよい職人が施工するかどうかで仕上がりや耐久性に大きな違いが出ます。実際にそとん壁を使った建築実例を見学できる完成見学会への参加もおすすめです。

最後に、そとん壁は見た目の美しさや性能面だけでなく、「自然素材と共に暮らす」というライフスタイルを大切にしたい人にとって、非常に満足度の高い外壁材です。
左官職人による手仕上げであるため費用と手間はかかりますが、その分得られる価値も大きいと言えます。



こちらもチェック↓




この記事を書いた人

竹澤 貫

エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当 大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。 パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。

著者のすべての記事を見る