呼吸する壁 セルロースファイバーの魅力について

1.セルロースファイバーとは?自然素材から生まれた断熱材
セルロースファイバーは、新聞紙などの古紙を原料としたリサイクル素材の断熱材です。
自然素材から生まれているため、製造時のエネルギー負荷が少なく、環境にもやさしい断熱材として注目されています。
セルロースファイバーの特長は、繊維の一本一本が空気を含むことで、優れた断熱性能と調湿性を発揮する点です。
さらに、防音性能や防火性にも優れており、単なる「断熱材」という枠を超えた、多機能な建材として住まいに活用されています。
私たちが提供している「住まいづくり」では、このような自然素材を使うことで、快適で安心できる暮らしのベースをつくることを大切にしています。
セルロースファイバーは、まさに「呼吸する壁」の中核を担う素材なのです。
2.呼吸する壁がもたらす快適性とは
「呼吸する壁」とは、外気の影響を抑えつつも、内部の湿気をうまく逃がし、住まい全体の空気の質を保つ壁のことを指します。
この機能を可能にしているのが、セルロースファイバーの持つ調湿性能です。
たとえば、梅雨時や冬場など、外気と内気の温度差や湿度差が大きい時期に、壁の中が結露することがあります。
これが繰り返されると、壁体内にカビが発生し、建物の耐久性を損ねたり、アレルギーの原因になったりします。
セルロースファイバーは、空気中の湿気を吸収・放出する「調湿性能」を備えているため、内部結露を防ぎます。
壁がまるで「呼吸している」かのように、室内の湿度を自然にコントロールし、カラッとした快適な空間を保ってくれるのです。
また、私たちは内装に本漆喰を採用することも多くあります。
本漆喰もまた、調湿性能に優れた自然素材です。
セルロースファイバーと本漆喰、このふたつの素材を組み合わせることで、室内環境はより安定し、夏でも冬でも快適に過ごすことが可能となります。
3.セルロースファイバーの優れた断熱性能
断熱材としてのセルロースファイバーの実力も見逃せません。
繊維が空気をたっぷり含んでいるため、熱の移動をしっかりとブロックします。
その断熱性能は、グラスウールやロックウールなどと比較しても引けを取りません。
さらに、セルロースファイバーは吹き込み式で施工されるため、細かい隙間までしっかり充填され、気流の侵入を抑えることができます。
熱だけでなく空気の流れ(対流)も抑えられることは、高気密・高断熱住宅には欠かせない要素です。
住まい全体の熱効率が高まり、冷暖房費の削減にもつながります。
私たちが実践している「住まいづくり」では、数値だけで判断するのではなく、実際に住んだときの体感温度や快適性を何より重視しています。
その中でセルロースファイバーは、非常に優秀な断熱材として選ばれているのです。
4.音を吸収する、静かな住まいを実現
セルロースファイバーの魅力は断熱や調湿だけではありません。
実は、防音性能にも優れている点が、多くのお客様に選ばれている理由のひとつです。
繊維状の構造が音の振動を効果的に吸収し、外からの騒音を軽減します。
また、部屋同士の音の漏れを抑えることで、家の中での生活音が気になりにくくなります。
たとえば、小さなお子様がいるご家庭では、子どもの足音や声が響きにくくなったという声をいただいています。
また、テレワークや在宅勤務が増えた今、静かな環境を求めてセルロースファイバーを選ぶ方も増えています。
このように「静かな暮らし」をつくるという点でも、セルロースファイバーは非常に効果的な素材です。
5.地球環境にもやさしい選択
セルロースファイバーは、環境に配慮したエコな断熱材でもあります。
再生紙を主原料とし、製造時のCO2排出量も非常に少ないのが特長です。
さらに、施工後も有害なガスなどを発生させることがなく、住まう人にとっても安心安全です。
化学物質過敏症の方や、小さなお子様・高齢者がいるご家庭においても、安心して採用できる建材といえるでしょう。
私たちが提供する「住まいづくり」は、単に「箱」としての建物を売るのではなく、長く健康に暮らせる家づくりを大切にしています。
だからこそ、環境への配慮、住まう人の健康への影響も見逃すことなく、自然素材を積極的に取り入れているのです。
6.セルロースファイバーと無垢材、本漆喰でつくる住まい
セルロースファイバーは、単体でも十分に魅力ある建材ですが、他の自然素材との組み合わせによって、住まいの快適性はさらに高まります。
たとえば、床には無垢材を、壁には本漆喰を使うことで、断熱・調湿・防音・美観のすべてを備えた空間をつくることが可能になります。
無垢の木は、足触りがよく、夏はさらっと、冬はじんわり暖かく感じられるため、冷暖房だけに頼らない自然な快適さが生まれます。
本漆喰は、空気中の臭いや化学物質を吸着し、室内空気を清浄に保つ役割も果たします。
このような自然素材同士の相性の良さは、機械設備やビニールクロスには出せない、「空気感」や「質感」を演出します。
家そのものが調湿・断熱・防音といった機能を自然に果たすことで、私たちが目指す「住まいづくり」に一歩近づくことができます。
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