災害対策としての太陽光発電・蓄電池を今だからこそ考える
この記事を書いた人
-
エッグ住まいる工房 工事・施工管理担当
音楽や美術などの芸術が好きで単身日本に留学し、建築の道を志したソウル出身の現場監督。二級建築施工管理技士補を持ち、自分自身が自宅をリノベーションした経験の中で悔いが残ったことから、お客様が同じ思いをしないようにと自らの経験なども記事内で語る。
最新の投稿
- 鳥羽2024年10月23日スマートホームの魅力と利点:未来の住まいかた
- 鳥羽2024年10月16日タイニーハウスの魅力を知り、注文住宅を考えるヒントに
- 鳥羽2024年10月9日電気代に驚愕!省エネ住宅の大切さ
- 2019年10月2日消費税は10%になりました。今度はローン控除の期限が心配
みなさんこんにちは
先週とは打って変わって昨日お打合せを詰め込んだ結果
こんなお昼時にポンっと時間が空きましたのでポチポチ綴っております
エッグ住まいる工房 竹澤貫です
先日綴ったブログでもこのテーマについてお話したいなと
ほんの少し触れたわけですが
まぁ多い この災害対策のご質問が多いわけです
何せ先日の続いた災害の結果
大阪北部地震⇒一部エリアでガスの供給停止。電気は無事供給
台風21号⇒一部エリアで停電。ガスは無事供給
と主要なライフラインがそれぞれ片方ずつ停止する事態に見舞われて
「これはヤバい!」と
そのように感じた方が多数いるというわけです
納得
今日このお話を書いた理由大きくは2つ
1.既に一戸建てをお持ちのみなさんの家に
この震災復興ラッシュが一段落したころに必ず来るであろう
太陽光・蓄電池の営業マンたちから騙されないように知識をつけておいていただきたい
2.これから新築を考えるみなさんに向けて
「なるほど 緊急時の防災の方法にはこんな考え方があるんだな」と
検討する上での選択肢を持って頂きたい
この2つです
今日のブログは長くなるので最後まで読むのがちょっと大変になると思います
なので今この時点で読むのをやめる方のために1つだけ考え方として覚えてかえって下さい
光熱費が安くなるからという理由だけでオール電化を選ぼうとしている方がいれば
必ずプラスα何か防災の事を考えてください
そうでなければオール電化はとてもリスキーです
停電した瞬間に 家の機能全てが凍結します
それだけは覚えておいて頂ければ幸いです
それでは本テーマへ移りましょうっ
----------------------------
ⅰ.太陽光発電システムと防災
■太陽光発電システムを設置することで
天気のいい(曇り程度なら発電するものも)日中に限り
停電時でも家の中で電気を使用することが出来る
【実際の停電時に使用できる電力目安】
使用可能電力:1500W ※いいお天気の時の上限出力
・冷蔵庫OK ・炊飯器OK
・扇風機OK ・テレビOK(大型でない)
・ケータイ充電OK
・電子レンジ△ 電力不足が予想されますが理論上は使用可能
・パソコンNG ※ノートパソコンに限りOK
(不安定な電力なため、デスクトップではデータが消える可能性がある)
・エアコンNG 電力不足が予想される
※メーカーや家電の大きさなどにより
上記リストの中でも使用できないものもあります
また、上記全てを同時に使うと間違いなく電力不足となります
同時に使えるものについては明言しにくいため
ご了承ください
【設置コスト】
・約80万円程度(一般的に最も最小限で設置する場合の目安とされる3kw設置の場合)
※現場状況により金額は前後します
【問題点】
・太陽光発電システムのみの場合夜間は一切発電しない。なにも使えない
・業者により設置工事のレベル差がとても大きく
後付け設置の場合雨漏りでトラブルになる相談をよく受ける
【まとめ】
『最低限の防災』。
それをテーマとするならば十分すぎる能力を持つのが
この太陽光発電システムと僕は考えてます。
ただし上記に書いてある通り
夜間・または雨天のときただの屋根の一部になる点だけ要注意
停電になる場合は台風の影響によるケースももちろんあるため
そうなると当然天気は悪いので発電しません
「安心を買う」という意味では物足りなさがのこるかもしれませんね
----------------------------
ⅱ.太陽光発電システムwith蓄電池と防災
■日中に発電した電気を充電することで
停電時にすぐさま電気を使うことが出来る蓄電池
日中発電し・その場で使ったり・充電したりしながら
夜や雨天時には蓄電池に溜めた電気を使うという
太陽光発電システムの弱点を補うために存在するアイテム
【実際の停電時に使用できる電力目安】
使用可能電力:5000W/h ~ 7800W/h
※以下具体例は5000W/hの蓄電池を採用
下記リストの家電を全て使い、4日目で充電が無くなる目安となります
あくまで机上の計算ですので実際のものと異なることが予想されますが
あらかじめご了承ください。
・冷蔵庫OK (3日間フル稼働で2956W/h使用)
・テレビOK (1日4時間視聴で1600W/h使用)
・扇風機OK (1日6時間使用で720W/h使用)
・ケータイ充電(1日1回3台のスマホを満充電で100W/h使用)
合計:5376W/h
つまり丸3日は継ぎ足し充電無しに動く計算
※メーカーや家電の大きさなどにより
上記リストの中でも使用できないものもあります
また、上記消費電力は平均的なものを選んで試算しております
使う家電によりその限りではありませんのでご注意下さい
【設置コスト】
・約160万円~230万円程度(内80万円が太陽光発電システム)
蓄電池設置の場合は太陽光発電システムが必要となります
※現場状況により金額は前後します
【問題点】
・高価 蓄電池単体で考えると80万円~150万円程費用がかかる
・寿命が10年目安と言われている
リチウムイオン電池を採用しており、数年前に比べ寿命は延びたが
ケータイ電話の電池と同様容量の目減りが発生する
・年々コンパクト化が進んでいるものの設置場所の検討は必要
【まとめ】
今とても注目を浴びているのがこの蓄電池
シミュレーションをご覧いただければわかる通り
3日間の食いつなぎが出来る点
その間でお天気が良くなればまた発電・蓄電を繰り返すことが出来る点
そうしていくことで、贅沢な暮らしはできないものの
かなりの自給自足を実現することが出来る点は大きな魅力ですね
ただし、それに対してかかる費用・そして耐用年数の短さは
絶対に注意が必要な点となります
「災害がこない場合蓄電池を使った自給自足でお得に暮らせます」
お得に暮らせますが蓄電池を買った分が帰ってくるまでの効果を
見込めるわけではありません
『災害時の安心が手に入る』⇒◎
『その上今なら元が取れる』⇒✖ です
元が取れると営業してきた場合は注意してくださいね(*'▽')
さて、いかがだったでしょうか。
今日のお話をご覧いただいた上で
「蓄電池ってそんなにもつんだー!」
そんな声が聞こえてくれば僕は願ったりかなったりです
ただし、まとめで書いていた通りですが
蓄電池は「保険のために買う」ならOKですが
「損しない」は誤りです
損しないから付けたいと相談を受けた場合は「ちょっとまってくださいーー!」と
そんなお話からスタートになります
そんなこんなの太陽光発電システム・蓄電池編いったん終了
あまりに長くなったのでここで一度締めますが
実はまだもうちょっとだけ続きます
次回 『第3の選択肢 エネファーム編』です
乞うご期待
またお会いしましょう(*'▽')