茨木市で家を建てる。必要な耐震性とは?過去の震災被害から分析


茨木市の地理と災害リスクを知る

北摂の住宅地、茨木市の地理的特徴

茨木市は大阪府北部、北摂地域に位置し、緑豊かな自然と都市機能が共存する住宅エリアとして人気です。
大阪市や京都市へのアクセスも良く、子育て世代を中心に移住希望者も増えています。

しかし、地形的には北部が山地、南部が低地となっており、地震や土砂災害といった自然災害リスクへの配慮が欠かせません。

茨木市で記録された過去の震災とその被害

2018年大阪北部地震のインパクト

2018年6月18日、茨木市を震源に震度6弱の大阪北部地震が発生しました。
この地震により住宅やブロック塀の倒壊が相次ぎ、死傷者も出る深刻な被害となりました。

特に築年数の古い住宅での被害が目立ち、耐震性が不十分な建物が倒壊や損傷を受けたケースが多数報告されています。

震災は「いつか」ではなく「いつでも」起こる

この地震を機に、茨木市では耐震診断やリフォームの重要性が見直されました。
住まいの安全性が命を守るという意識が高まり、耐震性のある家づくりへの関心が一気に広がったのです。

2025年4月から変わった耐震基準と、今求められる住宅の耐震性

新耐震基準で強化された構造安全性

2025年4月から、住宅の耐震設計に関する基準が大きく見直されました。
これにより、木造住宅でも規模や条件に応じて許容応力度計算の実施が推奨・義務化されるなど、構造安全性の明確な裏付けが求められるようになりました。
これは、震災後も「住み続けられる家」を実現するための国の対策です。

耐震等級とその意味

耐震性能を表す「耐震等級」は以下の通りです:

  • 等級1:建築基準法に適合(震度6強〜7で倒壊しない)。
  • 等級2:等級1の1.25倍の耐震性(学校や避難所レベル)。
  • 等級3:等級1の1.5倍(消防署・警察署レベル)。

茨木市のように震災の被害経験がある地域では、等級3の選択が基本となります。

「等級3+許容応力度計算」で得られる本当の安心

単に耐震等級3を取得するだけでなく、それを許容応力度計算という詳細な構造計算で裏付けることが重要です。
構造部材にかかる力を数値で検証することで、安全性に根拠のある設計が可能になります。

茨木市で選ばれる住宅構造とそのメリット

木造住宅なら耐震性と断熱気密性能を両立できる

木造住宅でも適切な設計と工法を採用することで高い耐震性を発揮します。
揺れに柔軟に対応できる構造でありながら、しっかりとした計算に基づけば大地震にも耐え得る強固な家が実現可能です。
また、鉄骨住宅と比較すると気密性を確保しやすいといったメリットもあり、住環境よく快適に暮らしたい方にとっておすすめの住宅構造です。

耐震性に優れた工法の選択肢の例

  • 在来軸組工法+耐震パネル:間取りの自由度が高く、耐震性も確保可能
  • ツーバイフォー(2×4)工法:壁面全体で揺れを受け止める構造で、損傷リスクを軽減
  • 制震ダンパーの併用:繰り返しの余震に強く、建物の損傷を抑える

工法選びと同時に、上記に挙げた許容応力度計算による裏付けがあれば安心度は一層高まります。

家族と資産を守る「地震後も住める家」とは?

被災後の「生活継続性」が家の本当の価値

震災時に「倒壊しない」だけでなく、「その後も住み続けられる」住宅であることが極めて重要です。
軽微な損傷で済むか、ライフラインが途絶えても仮住まいに避難せずに済むか。この違いが、家族の安全と生活に直結します。

被災後の生活継続に必要な工夫

  • 制震装置の導入で建物ダメージを抑える
  • 建材・接合部の強化で復旧コストを軽減
  • 家具固定・設備配置で二次被害を最小限に
  • 構造計算に裏付けられた設計で被害の予測と対策を明確に

耐震性は資産価値にも直結する

耐震性の高い住宅は、査定や売却時にも評価されやすく、資産価値の維持にもつながります。
「長く住む」「売る」「貸す」いずれを選んでも、有利に働くのが耐震性のある住まいです。










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この記事を書いた人

竹澤 貫

エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当 大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。 パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。

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