建物の大きさ・坪数とは。必要以上に広すぎる間取りに潜む落とし穴

間取りを考える前に知っておきたい「坪数」とは?

広い家って憧れますよね。

住まいづくりを考えはじめると、「何坪くらいの家にしようか」といった会話が自然と出てきます。

「坪数」や「㎡数」はこのような建物の床面積を表す単位のこと。

1坪はおよそ3.3㎡で、畳2枚分ほどの広さです。
たとえば「30坪の家」であれば、おおよそ60畳の床面積があるということになります。

しかし、単純に坪数が大きければ快適な住まいになるかというと、必ずしもそうではありません。
実は、広すぎる間取りには見落としがちな落とし穴が潜んでいるのです。

「間取り」だけでなく「建物の大きさ」や「坪数」を正しく理解することで、失敗や後悔のない住まいづくりに繋がります。

ムダになるかもしれない空間とは?

広いリビング、大きなウォークインクローゼット、客間の和室――。
ゆとりのある住まいは魅力的に見えるところがメリットです。

しかし、広さを優先して間取りを決めた結果、「結局使っていない部屋がある」「掃除や冷暖房に手間とコストがかかる」といった後悔の声もあります。

家族のライフスタイルに合わない空間は、もしかすると生活の中で“ムダな空間”となってしまうこともあり得ます。

たとえば、子どもが巣立った後に使わなくなった子ども部屋。
あるいは来客用の和室が物置き状態になってしまった、という話も。

こうしたムダを避けるためにも、「今」と「将来」の暮らしを見据えた間取りづくりが必要です。

「ちょうどよい大きさ」とは?理想の坪数の見つけ方

それでは、自分たちにとって“ちょうどよい”建物の大きさとはどのくらいでしょうか?

これは単に「〇坪あれば大丈夫」といった単純な数字で決めるものではありません。
たとえば、4人家族であっても、暮らし方によって必要な坪数は変わってきます。

家にいる時間が長い家庭であれば、個室の使い方を重視した間取りが向いているかもしれません。
一方で、家族が集まる時間を大切にしたい場合は、リビングの広さを確保することが優先されるでしょう。

また、コンパクトな間取りにして、収納や動線を工夫することで、実際の面積以上に広く感じられる住まいも実現できます。
たとえば、動線が短く、用途が重なり合うような空間構成をつくることで面積以上に快適な住まいをつくが可能です。

坪数にとらわれすぎず、実際の暮らしを想像しながら間取りを考えることが大切です。

維持費と環境性能から見直す「広さの本当の価値」

建物が大きくなれば、建築費はもちろん、維持費や光熱費も比例して増えていきます。
冷暖房の効率が悪くなれば、毎月の電気代もかさんでしまいます。

また、毎日の掃除をしなければいけない場所が増えたり、将来のリフォーム費用も広さに応じて増えていきます。
広すぎる家を持つということは、長期的に見ればそれだけ多くのコストを支払うということでもあります。

「広さ=満足」ではない。後悔しない間取りのためにできること

「せっかくのマイホームだから、広くつくりたい」と思う方はきっと多いと思います。
しかし、“広ければ満足できる”という考えには注意が必要です。

住んでから後悔しないためには、自分たちの生活スタイルや価値観を丁寧に見つめ直すことが大切です。

・今の暮らしで困っていることは?
・どんな暮らしにあこがれている?
・10年後、20年後に家族構成や働き方はどう変化する?

こうした問いにしっかりと向き合いながら、「本当に必要な間取り」や「無理のない建物の大きさ」を導き出すことが大切です。







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この記事を書いた人

竹澤 貫

エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当 大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。 パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。

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