健康な暮らしを叶えるために 住まいの素材えらび

1.健康に暮らせる住まいとは?
毎日の暮らしを支える住まい。そこが安心できる場所であるためには「健康に過ごせること」がとても大切です。では健康的な住まいとは、どんな条件を満たしているのでしょうか。
大きく分けると、次の3つがポイントになります。
- 室内の空気がきれいであること
- 室内の温度が快適に保たれやすいこと
- 室内の湿度が安定していること
この3つが揃っていると、体への負担が少なく、住む人が自然と元気でいられる環境が整います。
住まいづくりにおいては、➀住宅性能(断熱・気密・換気など)と、➁素材えらびの2つが両輪です。今回は、弊社が大切にしている「素材えらび」の視点からお話ししていきます。
2.空気環境を守る素材の選択
人が1日に体に取り込むものの中で、一番多いのは食べ物や水ではなく「空気」です。だからこそ、住まいの空気環境をどう整えるかは非常に重要です。
空気を汚す要因として代表的なのが、建材に含まれる化学物質。接着剤や塗料に含まれるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物は、シックハウス症候群の原因となることがあります。
弊社では、ビニールクロスの代わりに自然素材の漆喰をおすすめしています。漆喰は石灰を原料とした塗り壁で、化学物質をほとんど含まず、調湿・消臭・抗菌といった働きをもつ素材です。実際に施工したお客様からは「新築独特のツンとした臭いがしなかった」という声もいただきます。
また、シロアリ対策についても注意が必要です。一般的な防蟻処理は薬剤を散布する方法が多いですが、それ自体が揮発して室内空気を汚すことがあります。弊社では、自然由来のホウ酸処理を採用。ホウ酸は揮発せず、効果が長持ちするため、住む人の健康にも安心です。
3.湿度を整える自然素材の力
次に湿度の問題です。湿度が高すぎるとカビやダニが発生しやすく、低すぎると肌や喉が乾燥し、風邪をひきやすくなります。人が快適に感じ、健康にも良い湿度は40〜60%程度。この範囲を保つことが理想です。
ここで役立つのが「調湿性能を持つ素材」。漆喰や珪藻土といった塗り壁は、空気中の湿気を吸ったり吐いたりする性質を持っています。また、床材に無垢の木を使うことで、木の細胞が呼吸をするように湿度をコントロールしてくれます。
特に杉や桧などの針葉樹は、吸放湿性能が高いだけでなく、やわらかい足触りで快適さもプラスされます。弊社が施工したお住まいでも「梅雨の時期でもジメジメせず、エアコンに頼りすぎなくても快適」との声をいただいています。
4.温度環境を支える床材選び
「冷えは万病のもと」と昔から言われます。冬に足元が冷えると体全体が冷え、体調を崩しやすくなるだけでなく、急激な温度差が原因でヒートショックを招く危険性もあります。
そこで効果を発揮するのが、無垢の床材。とくに杉や松などの針葉樹は細胞の中に多くの空気層を含んでいるため、床表面が冷えにくく、裸足でも心地よく過ごせます。合板フローリングに比べ、冬の体感温度は大きく変わってきます。
さらに、自然素材の床は経年変化も魅力です。使い込むほどに味わいが深まり、手入れをしながら長く付き合える点も健康的な暮らしにふさわしい要素です。
5.自然素材で叶える「安心と快適」
自然素材は「体にやさしい」というだけでなく、心地よい暮らしをつくる力も持っています。
- 漆喰の壁は、光を柔らかく反射して室内を明るく見せる
- 無垢の木は、香りや手触りでリラックス効果をもたらす
- 素材そのものが長寿命で、手入れをしながら世代を超えて使える
こうした特長は、工業製品にはない自然素材ならではの魅力です。弊社では「住まいは単なる箱ではなく、健康に暮らすための器」という考えのもと、素材の力を最大限に活かした住まいづくりを行っています。
6.健康な暮らしは素材えらびから
今回は「健康住宅」をテーマに、素材えらびの重要性についてお話ししました。
- 空気を汚さない漆喰やホウ酸処理
- 湿度を整える無垢材や塗り壁
- 足元の冷えを防ぐ針葉樹の床材
こうした自然素材は、目に見えない部分で私たちの体を支え、心地よい暮らしをもたらしてくれます。
もちろん、健康的な住まいには断熱・気密といった住宅性能も欠かせません。性能と素材の両方が揃ってこそ、本当に安心できる住まいになります。
「素材にもこだわって、家族がずっと健康に暮らせる住まいを建てたい」
そんな方は、ぜひ弊社のコラムや施工事例をご覧ください。実際の体験やお客様の声を通して、自然素材の良さをもっと感じていただけると思います。