犬の匂いがしない?自然素材、薩摩中霧島壁の施工事例

1.自然素材、薩摩中霧島壁

みなさんは 薩摩中霧島壁 という壁をご存じでしょうか。
自然素材の注文住宅を建てるぞ!
そう一念発起された多くの方は、まず 漆喰 と 珪藻土 という単語を知ることになります。

接着剤を使わないため身体に優しいこと
湿気を調湿する効果を持っていること
匂いを消臭してくれる効果を持つこと
ビニールクロス(壁紙)よりも値段が高くなること

このように、漆喰・珪藻について理解を深めていかれます。
そのさなかでとある素材を出会うことがあります。
それがこの 薩摩中霧島壁 という材料。

知名度は決して高くはありませんが、その効能を知ると多くの方が採用を考えるこの薩摩中霧島壁。今日は僕自身の実体験も交えながらご紹介してみたいなと思います。

2.リノベーションをしたマンションで暮らし始めて2年半になりました

まずは少し身の上話のようなものにお付き合いくださいませ。
僕は少し前に箕面市彩都の新居に引っ越しをしまして、早いものでもう2年半の月日が経ちました。

「犬と暮らせるところに住みたい。」

夫婦揃って意見が一致していたこの憧れを叶えるべく新居を探しまして、予算・利便性・夫婦の意向などなどetc…。行きついたのは『中古マンションを購入して全面改修フルリノベーションをする』という結論でした。
そして何を隠そうその新居の壁こそ、ほぼ全て薩摩中霧島壁で仕上げています。

3.薩摩中霧島壁を選んだ3つの理由

薩摩中霧島壁を採用した理由は大きく3点。

①アレルギー対策
僕自身がハウスダストのアレルギーが強いため、ビニールクロスを避けたかった。

②ペット臭対策
犬を飼うつもりだったため、消臭効果の高い漆壁を使いたかった。

③デザイン面
室内の壁の色をグレーにしたかった。

こんな理由でした。
ちなみに調湿効果については別記事で部屋干しに向いてる解説をしてるので、よかったらそちらも見てみてください。

https://www.egg-jp.com/column/column-21406/

4.漆喰壁を選ばなかった理由

さて、自然素材の壁として採用率が高い漆喰壁ですが、今回この漆喰壁を選ばなかったのには理由があります。それぞれ解説していきます。

①アレルギー対策

こちらについては漆喰壁と薩摩中霧島壁は同点。どちらを選んでもアレルギーの対策になると考えていました。

②ペット臭対策

消臭効果の期待できる壁として、漆喰、珪藻土、薩摩中霧島壁がぞれぞれあります。ですが、それぞれの性能は若干ずつ異なります。メーカーが公称しているデータをもとにざっくり表にまとめると以下の通り。
匂いのトラブル・ストレスというのは自分だけでなく周囲を巻き込むことになるので、より性能の高いものを選びたいなと考えて、薩摩中霧島壁に軍配があがっていきました。

<アンモニア消臭性能 比較表(参考値換算)>

材料R@
10min [%]
R@
30min [%]
R@
60min [%]
半減期 t₁/₂ [min]コメント
薩摩中霧島壁約80≈100≈100~15–20メーカー試験で「30分でほぼ0ppm」
漆喰約60約80≥95~40–502h時点で95%以上低減
珪藻土約50約80≥95~30–4010ppm→1hで0.5ppm(95%除去)

<アセトアルデヒド消臭性能 比較表(参考値換算)>

材料R@
10min [%]
R@
30min [%]
R@
60min [%]
半減期 t₁/₂ [min]コメント
薩摩中霧島壁約60約90≈100~20–30メーカー試験で「30分でほぼゼロ」
漆喰約40約70≥90~50–60アルカリ反応で分解、長期安定性が強み
珪藻土約30約60約80~60–80初期は遅いが時間とともに確実に低減

参考URL
https://www.takachiho-shirasu.co.jp/co_mame/f66bfa337427649a32b2b715d927ccab-163.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/finex/2003/0/2003_0_7/_article/-char/ja/
https://www.nikkenren.com/kenchiku/zairyo/pdf/14shoshu/table14.pdf

③意匠性。カラーコーディネート

漆喰壁には「カラー漆喰」と呼ばれる塗料を使ったデザインのものがあります。
ですが、実はこのカラー漆喰には弱点があります。それは、もともと真っ白な素材に塗料を混ぜ込んで作る特性のため、一度作った色と全く100%同じにはぼぼできないという点です。
もともと内装は全て綺麗なグレーにしようと考えていたので、それを実現するためには、もともとグレーに仕上がっている素材から選びたく、そこに薩摩中霧島壁が当てはまりました

5.とうとう迎えた愛犬

この薩摩中霧島壁の家での暮らしが始まり、その後翌年の春。めぐり合わせにより出会ったポメラニアンの愛犬ぶんぶん丸(名前です)を迎え、いぬと暮らして1年半になりました。

さて、そうした犬と暮らす新居生活にもうすっかり馴染んだ頃合いではありますが、このマイホームにはそこそこ色んな友人知人が足を運んでくれています。僕自身がこうして建築関係の仕事をしていることを周囲の友人たちは知っているため、「貫の家なら一回見とかなあかんやろ」的な。そんな物見遊山、観光気分で見学に来ます。

6.匂いの質問や感想が圧倒的に多い

そこで来客の皆さんに聞かれる、驚かれるのが匂いの話。

「生活臭がしない」 「犬の匂いがない」

自分自身は毎日暮らしているのでなかなか気付けないところでしたが、こうして外から来られた方に言われると実感するものでして、先の説明に書いた「高い消臭効果のために選んだ薩摩中霧島壁」は、僕の想像を上回る超大仕事をしているようでした。

もちろんこの『薩摩中霧島壁』にも弱点はあるので、誰にでもどんな時にでもおすすめできるか?というと、割とそうでもなかったりはしますが、こんな我が家にはとてもぴったりな代物でした。

7.自然素材『薩摩中霧島壁』

自然素材の家で使われる材料というのは、往々にして身体に優しいいい物として語られがちではありますが、いずれも選んだ場合のデメリットというのがあります。今日は尺の都合でそのご説明は割愛しましたが、僕たちと直接お話する際の説明や、今後HPのブログではそのあたりも詳しく語るようにしていきます。

『薩摩中霧島壁』

ぜひこの機会に覚えてみてください。

この記事を書いた人

竹澤 貫

エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当 大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。 パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。

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