茶室についてのお勉強。設え、作法、所作。お茶会に参加してきました。

みなさんこんばんは
茨木市で自然素材の注文住宅を建てる工務店
エッグ住まいる工房 竹澤貫 です。

今日は今現在新居の計画についてご相談を受けているとあるお住まいの話をしてみようと思います。 そのとあるお住まいというのが、「『茶室』のある家」。

聞くだけでおぉーと思いますよね、
思いました。
すごいわくわくする。

僕自身も建築の基礎的な知識として、ある程度和室・茶室のことは頭にあるものの、お茶の専門の方からすればまだまだ未熟。お客様の方が詳しいことも多々あります。
お客様の「こうしたい」という要望に対して、「それってどういうものですか?」というレベルになってしまうと、スムーズなキャッチボールが成立しません。そうした事態は避けたいところなので、この機会におさらいと、お勉強をしています。

茶室って実はルールが複雑…!

さて、茶室を作らない大半の方にとってはあまり興味のない話かもしれませんが、この『茶室』という空間の中には、様々な独特の文化が詰め込まれています。いくつか紹介してみますね。

”にじり口”。異様に狭い入口がある。

茶室には”にじり口”と呼ばれる特殊な入口がある場合があります。

これには茶室を「誰もが頭を下げて入る平等な場の象徴」とする考えや、「非日常的な入口を設けることによる神格化」といった意味合いがあって、作られていたものです。
そのため高さや大きさ。わずか数十センチの入り口に、侘び寂びの精神や身分を超えて皆が同じ姿勢で入るという意味が込められていて、寸法ひとつにも深い理由があります。

近代ではこの”にじり口”を設けない形の茶室も珍しくありません。その理由は建築上の都合であったり、茶室の使い勝手からくるものであったりと様々なようです。しかしながら、そうした考えがあり、そうしたものがあるということは、作法心得として、知っておきたいところなのだろうと感じます。

”炉”を切る。

もう一つは“炉の切り方”。季節によって「風炉」と「炉」を使い分け、位置や向きによって茶事の流れまで変わるという細やかさ。しっかりとした作法と歴史が積み重なっています。
ルールが積み重なっている分、茶室は奥行きが深い世界。専門の先生方が大切に守ってきた文化だからこそ、僕たちも丁寧に向き合わなきゃいけないんだなと感じました。

こうした古くからの文化を語り継いでいくこともまた、僕たちが目指しているものとも通ずるところ。
「後世に語り継ぐ」というテーマ弊社の代表もブログを書いているのでよろしければぜひ一度ご覧になってください。

https://www.egg-jp.com/staff_blog/staff_blog-22659/

お茶は本来もっと身近な存在

とはいえ、そんな奥深い世界に対して「私なんて…」と身構える必要は全然ないよと、その場にいらした方からお話いただきました。
「お茶はもっと気軽なものなんですよ」と。
茶室での茶道は格式高いものらしいですけどね。

ちなみにこの写真はお客様から野点のお茶会にお招きいただいたときの写真です。お客様がコソッと写真を撮ってくださっていました。ごらんのとおりめちゃくちゃ張り切って着物着ていきました。

青空の下、湯気の立つお茶をいただく時間はもう最高で

「あのお茶を入れる(点てる)動き、所作にも一つひとつ決まり事があるんやろなぁ。かっこいいな」
「練り切り甘くておいしい。」
「町内会の人たちもみんな元気で仲良さそうでいいなぁ。」
「こうやって町の人たちが集まるきっかけになる『お茶』って素敵やな。」

と、いろんなことに思いを馳せていました。
こんな時間をくださったお客様に感謝です。

こだわるほどに深まる。だからこそバランスが大事。

今回は茶室という独特の文化のある空間を取り上げたわけですが、注文住宅というのは「こだわろうと思えば際限なくこだわれる」世界でもあります。
まぁ茶室の「こだわり」は他の部屋のこだわりに比べてめちゃくちゃ青天井になるっぽいのでその比にはならないかもしれませんけども。

天井の高さ、素材の選び方、光の入り方、暮らし方に合わせた動線…やればやるほど面白いし、気づけば予算もどんどん膨らんでしまう。

大切なのは、その “こだわり” と “本当に必要なものの選定” と “予算” そのバランス。
どこに比重を置くかはご家族によって全然違うからこそ、僕たちが間に入りながら、一緒に優先順位を整理してコーディネートしていきます。

茶室のある住まいづくりも、そのご家族らしさを大切にしながら、無理なく心地よく仕上げていけるように、これからじっくり寄り添っていきますね。

この記事を書いた人

竹澤 貫

エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当 大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。 パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。

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