建築業界で職人が減っていることをご存じでしょうか?

1.職人不足が深刻化する建築業界
日本の建築業界では、今「職人不足」が大きな課題になっています。
大工・左官・設備・電気など、住まいづくりに欠かせない専門職は高齢化が進み、若手の新規参入は減少。
国土交通省の統計では、建設従事者の約3人に1人が55歳以上とされ、10年後には多くのベテランが引退期を迎える見込みです。
このままでは、長年支えてきた技術が継承されにくくなるだけでなく、工期遅延や施工品質の低下、メンテナンス時など、住まい手にも影響が及ぶ可能性があります。
2.なぜ職人が減っているのか?
背景には、働き方の変化や業界イメージがあります。
建築現場は「体力的にきつい」「休みが少ない」といった印象が強く、若い世代が職人という仕事を選びにくくなっています。
また、IT産業など新しい職種の選択肢が増えたことで、ものづくりの現場を志す人が相対的に減っています。
さらに住宅会社によっては効率を重視するあまり、職人の腕が生かしづらい仕様を選ぶこともあり、ものづくりの価値が見えにくくなっている側面もあります。
しかし本来、住まいは「手仕事の積み重ね」で完成するもの。
特に自然素材の施工は経験と感覚が求められ、熟練の技術が欠かせません。
3.技術を受け継ぐために今できること
職人不足を解決するには、建築の仕事そのものに「魅力」を感じてもらう取り組みが重要です。
エッグ住まいる工房では、小学生向けの体験イベント、「すまいるこども工務店」を開催し、木工体験や道具の使い方など、ものづくりの楽しさを伝える活動を続けています。
子どもたちが「つくるって面白い!」と感じた経験は、未来の職人を育てる小さな種になります。
すぐに人材不足が解消されるわけではありませんが、10年後、20年後の業界を支えるためにできる大切な一歩だと考えています。
4.技術をつなぐことは私たちの担うべき役割
職人さんの減少は業界全体の課題であり、私たちの暮らしにも直結しています。
住まいの品質は図面だけでなく、現場で技術を磨く職人の手仕事が支えるもの。
だからこそ、技術を次の世代に伝え働く魅力を感じてもらう環境づくりが欠かせません。
エッグ住まいる工房では、自然素材の住まいづくりとともに、未来の職人を育む活動にも取り組み続けています。
住まいの品質を未来へとつなぐために、これからも小さくても確かな取り組みを続けていきます。