最近注文住宅でよく見かける流行りの「ヌック」について解説
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▶ヌックという3年前までは耳にすることのなかった言葉
「ヌック」という言葉を聞いて、何を指すかがすぐに分かる方はとても流行に敏感な方と言えるのではないでしょうか。
僕の知識の限りでは、ほんの数年前までこのヌックという単語は使われることはなく、よくワークスペースやフリースペース、ファミリースペースのような呼ばれ方をしていた空間。今日はそんなヌックについて少し深掘りして解説してみようと思います。
みなさん初めまして。
茨木市で注文住宅を建てる工務店
エッグ住まいる工房の竹澤貫と申します。どうぞよろしくお願いします。
▶ヌックとは?まずは言葉の意味を知ろう
ヌックとは元々スコットランドで生まれた建築の言葉で、ヌークというものが語源になっています。元来は暖炉のそばで家族が寛ぐような小さな一角の空間を指すもので、そのゆとりある空間を欧米諸国が今の新築住宅に取り入れ始めたことがきっかけのようです。その後日本にも広がったわけですね。
軽食を食べる。読書をする。趣味の作業をする。
使い方に明確なルールはなく、幅広い用途で使うことができるため、家族の生活スタイルの変化に対応させていける点が魅力。2022年、23年頃から徐々に広まっていきました。
▶ヌックの定義
使い方に明確なルールがないヌック。しかし、「これはヌック」「これはヌックじゃない」という分類についてもふんわりと定義があります。ただ先の説明の通り、本来の言葉の意味自体が「家族が寛ぐ小さな一角」ですので、それほど厳格な定義のルールがあるわけではありません。なんとなくヌックかそうでないかを認識すれば十分かと思います。
①こじんまりとした空間
家族が寛ぐ⇒広い空間 はリビングであり、ダイニングのこと
家族が寛ぐ⇒こじんまりとした空間 がヌックです。
多くの場合は3帖程度の空間を指すことが多いです。
②空間として区切られている
扉で締め切ってしまえるようにするケースはあまりないかもしれませんが
・天井を下げる
・床を小上がりにする
・下がり壁で空間が仕切られているような見た目にする
・入口をアーチ壁などで狭める
概ねこのような方法で「ここがヌック」と分かるようにするケースが多いです。
③作る場所にはルールはない
リビングの一角に作ったり、2階ホールに作ったり、階段の踊り場に作ったり
ヌックを作る場所には特に定めはありません。
ただし、これは「家族が寛ぐ小さな一角」。寝室の脇に作ったりする空間は書斎になるので、このヌックには該当しません。
▶ヌックを作る時の注意点
ここまでのお話でヌックという空間の魅力は伝わっているのではないでしょうか。
自由な使い方ができる小さな空間。具体的に、リビングの一角に作ることを想像してみましょう。
子どもが小さなうちはメインは子どもがおもちゃを広げたりできる用にする。子どもが寝静まったころ、ヌックに設けた本棚から本を出し、音楽を小さくかけながら本を愉しむ。
ダイニングで寛ぐ奥様と、それぞれが自分の時間を愉しむ。空間は繋がっているので、適度な距離感を家の中で作ることができる。
そんな空間に憧れる方は多く、実際に打合せでご相談を受けることも多々あります。ここではそんなヌックを作る時の注意点に触れていきます。
①自由設計が可能な住宅会社でないと作れない。
弊社も例に漏れずもちろん対応可能なヌック。こうした特殊な空間を作るためには間取りだけが自由な住宅会社では良いヌックは作れません。
1.自由設計の間取り
2.床の小上がりや下げ天井などの仕様変更
3.壁や床などの素材の変更
4.寸法の微調整ができる造作棚やカウンターの設置
少なくともこれらの変更には対応できる必要がありますので、確認するようにしておきましょう。
②何に使う。どんな暮らし方をするか具体的に想像する。
「何にでも使える万能な空間」は、使い方を決めていない多くの場合「なんか雑多な物置」にえてしてなりがちです。
この使い方を想定するならこの空間の区切り方がオススメ。この壁がオススメ。棚がオススメ。
設計目線でお客様に提案するとき、その使い方に合わせて最適なパターンをいくつかご提案して間取りや仕様が決まります。
なんとなく飾るための棚を付ける。などの選び方をして、実際には飾るものではなく隠したいものを並べてしまうと、せっかくの空間がとても勿体なくなります。使い方に合わせて打合せするようにしましょう。
③面積と費用を上手に天秤にかける
ヌックの空間分家の面積を大きくすると、その分建物代金は高くなります。そこで考えなければならないのが、そのままヌックを作るか、LDKなどのどこかの空間を少し小さくしてヌックを作るか、そもそもヌックを作るのをやめるかということ。
ヌックの空間に憧れがある場合は、早めに「ヌックのあるなしで金額どれぐらい変わりますか?」は聞いておくようにしましょう。
▶間取りの話し合いはお早目に
過去記事で間取り話し合いは早めにしておくのがオススメという記事を書きましたが、【過去記事】あらかじめ家族でどんな暮らし方をしたいかすり合わせをしておくのはとても大切です。
特にこうした「無くても家として成立する空間」のような空間。それはご夫婦間でも意見が分かれやすいもの。まずはご家族で。そしてある程度から住宅会社の担当者と打合せをしてみるようにしましょう。
エッグ住まいる工房の間取りの打合せでは、「ヌックいりますか?いりませんか?」という話し方はあまりしません。それよりも、「新しい家でどんな暮らし方をしたいですか?」という、憧れや理想の暮らし方をお聞きすることを優先しています。
そして、そこでお聞きした話を元に、「それだったらヌックがあるといいかもしれません」というお話に繋がるわけです。
みなさんもどんな家を建てたいかではなく、どんな暮らしをしたいかを考えてみるのがオススメです。
この記事を書いた人
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エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。
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