建材選びで迷わない!無垢材と集成材の特徴・規格・用途を解説

こんばんは
茨木市にある自然素材の注文住宅を建てる工務店、エッグ住まいる工房の勝田です。

注文住宅を建てるとき、床や柱、梁に使う木材として「集成材」と「無垢材」の2つの言葉が出てきます。

皆さまは無垢材(むくざい)について耳にすることもあって、何となく意味まで分かってたりすることはあるかと思うのですが、集成材(しゅうせいざい)についてはご存じでしょうか。

木材は製材時の乾燥工程で含水率を下げ、寸法安定性(伸びや縮みの変化が少なくなり、冬の乾燥や夏の膨張による寸法の狂いを小さくすることができます)を高くすることができるのですが、この含水率の考えを土台に、無垢材と集成材についてお話しします。

特徴|集成材と無垢材の定義と違い

集成材は、乾燥させた板材を接着剤で貼り合わせた木材のことを言います。反りや割れを抑えやすく、寸法や品質が安定しているのが特徴です。
また集成材は加工をしやすいこともおおきな特徴です。

これに対して、無垢材は、一本の丸太から切り出した天然の木材のことを言います。
つなぎ目がなく、同じ柄は存在しません。

木の種類や成長環境が異なるので、その経年美化や木が持つ香りや肌ざわりをそのまま楽しめるのも特徴です。

種類と見分け方

集成材にはいくつかの種類があります。

・構造用集成材:梁や柱など構造部分に使われる。強度等級が明示されています。

・造作用集成材:家具やカウンターなど、意匠性を重視する用途向け。

見分け方としては、断面を見ると層状の貼り合わせが確認できます。

一方、無垢材は木目が自然に通っています。

強度について

集成材は、含水率を揃えてから接着するため、反りやねじれが起こりにくく、計算された強度を発揮します。

特に構造用集成材は、JAS規格(日本農林規格)で曲げ強度やヤング係数(剛性に関係します)が等級表示されるため、設計時に強度を確保しやすいです。

無垢材は樹種や部位によって強度が異なり、同じ樹種でもばらつきがありますが、適切に乾燥された良質材は耐久性にも優れます。

メリット・デメリット

■無垢材のメリット

・接着剤を使わないため耐久性が高い

・心材を使用した場合、燃えにくい特性がある

・自然素材ならではの香りや肌ざわりがある

・経年変化で味わいが増す

■無垢材のデメリット

・集成材に比べて反りや割れが起こることがある

・寸法の安定性に欠ける

■集成材のメリット

・反りや割れが少なく品質が安定(乾燥状態での使用条件)

・大断面材や長尺材が製造できる


■無垢材のデメリット

・膨張率の異なる板を組み合わせた集合材には剥離や耐久性の低下の不安がある

・接着剤の効果が低下した場合、集合材の強度低下に影響する

・無垢材のような経年変化の味わいは少ない

規格と認証による性能保証

集成材や無垢材は、JAS(日本農林規格)によって含水率や接着品質、曲げ強度など、構造材としての寸法・機械的性能を規格化しているので、設計どおりの強度や寸法精度が期待できます。

集成材は試験方法や等級区分が定められており、含水率15%以下などの基準が明記されています。

これは日本の気候では木材を放置したときに安定する含水率が15%前後であることを考えると、構造材の場合、認証マークの有無を確認することで、品質の信頼性を確認できると思ってもらって大丈夫です。

まとめ

集成材も無垢材ともに、適した使用環境といった違いはありますが、耐久性や安定性については性能を担保されたものを使うことで快適に生活することができます。

注文住宅では、床やカウンターに無垢材、梁や柱には集成材など、たとえば部位ごとに組み合わせることで、両方の良さを引き出すことも可能です。

性能以外にも、経年変化の美しさや味、育てる楽しみ、といったことも選択の基準になるとは思いますので、ご自身の要望をまずは整理してみることで、工務店との打合せなども実のあるものになるのではないでしょうか。