完成見学会でご紹介する桧の住まい

みなさん、こんばんは。
自然素材の注文住宅を建てる、茨木市の工務店エッグ住まいる工房の代表兼設計担当の長野です。
本日は、現在開催している完成見学会の住まいについて、少しご紹介させていただきます。

桧の無垢材を使った床の心地よさ

今回の住まいでは、床に桧(ひのき)の無垢材を使用しました。桧といえば、日本人にとって昔からとても身近で、神社やお寺といった格式のある建築にも数多く使われてきた木材です。実際に住まいの中に取り入れてみると、足をのせた瞬間にふわっと柔らかな感触と、ほんのりとした温かさが伝わってきます。床材の踏み比べコーナーも用意しております。ぜひ、見学会では靴下を脱いで裸足で歩いてみて下さい。夏場はさらりと、冬場はほんのり温もりを感じる、不思議な心地よさがあります。

床材で変わる住まいの印象

前回の完成見学会では、屋久島杉を床に使った住まいをご覧いただきました。屋久島杉は力強く、どちらかといえば男性的な印象を与える素材でしたが、今回の桧は対照的です。優しい色合いと木目の美しさが、空間全体をやわらかく包み込んでくれるようで、女性的な上品さを感じます。床材が変わるだけで、住まいの雰囲気は大きく変わるのだと改めて実感しました。

リビングを彩る桧の統一感

床材に合わせて、リビングに入る建具や造作も桧で統一しました。棚やカウンター、階段にいたるまで桧を用いています。リビング以外の建具は白でまとめ、漆喰の白と、桧の明るい木目と光が互いに引き立ち合い、とてもすっきりとして優しい雰囲気のリビングができあがりました。華美な装飾はないのですが、空間全体に統一感があり、ずっとそこにいたくなるような落ち着きを感じます。

玄関まわりの工夫と素材の魅力

玄関まわりにも少し工夫をしました。シューズクロークを設けて収納力を確保しつつ、玄関から普段使いに靴がすぐ用意できるように小さな玄関収納も設置しました。その収納のカウンターには、私が滋賀の材木屋で見つけた耳付きの桧一枚板を採用しました。自然のままの曲線を残した板は、既製品の収納に温かみをプラスしてくれます。同じ材をリビングのニッチにも使い、空間全体にさりげなく統一感を持たせています。小さな部分ですが、日々の暮らしの中でふと目に入るたび、自然素材のやさしさを感じていただけると思います。

桧の香りと日本の気候に合う耐久性

桧には、独特の香りがあります。桧の香りにはリラックス効果や抗菌作用があるとも言われており、実際に空気がすっと澄んで感じられるのも魅力のひとつです。新築時はもちろん、年月を重ねてもその香りはほのかに残り、家族の暮らしを見守ってくれるように寄り添います。
また、桧はとても耐久性が高く、日本の湿気の多い気候にもよく合った素材です。古くから寺社建築に使われてきたことからも、その信頼性の高さがうかがえます。年月を経るごとに少しずつ色合いが深まり、飴色へと変化していく「経年美化」も楽しみのひとつです。家とともに素材が成長していく感覚を味わえるのは、無垢材ならではの醍醐味だと思います。

自然素材に包まれた暮らしの魅力

私たちがつくるのは、単なる「住む箱」としての家ではありません。自然素材に包まれた空間で、心と体がほっと安らぐ暮らしの場です。桧の床に裸足で立ったときの安心感、ふと漂う香りに癒やされる時間、光と木目が重なり合ってつくり出すやさしい景色。そうした日常の一つひとつが、ご家族の大切な時間をより豊かにしてくれると信じています。

完成見学会で自然素材を体感

桧の住まいにご興味をお持ちの方は、ぜひ一度見学会にお越しください。桧だけでなく漆喰、中霧島壁、そとん壁、セルロースファイバーなどの自然素材でつくる住まいの、写真や言葉だけでは伝えきれない心地よさを、実際に見て、触れて、歩いて、体感していただけたらと思います。ご相談もいつでも歓迎です。お気軽にお声かけください。

この記事を書いた人

長野 孝彦

エッグ住まいる工房 代表取締役社長/設計担当 現在エッグ住まいる工房で建てる新築のお住まい全ての設計を担当している建築士。建築業界に携わり30余年、累計300棟以上の住まいづくりに関わってきた。デザイン、機能性、メンテナンス性、そしてお施主様のリクエスト。それらをバランスよく取り入れて暮らし方を提案することを得意としている。

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