構造と断熱を“見える化”する見学会 ― 住まいづくりの核心『8つのこだわり』

みなさん、こんばんは。自然素材を使った注文住宅を建てる茨木市の工務店、エッグ住まいる工房の代表であり、設計も担当しております長野です。

今日は、今週末行います構造見学会と断熱(セルロースファイバー)の施工見学会に見て頂けるこだわりについてお話ししたいと思います。

■ こだわり①:柱は JAS認定の桧 ― 強さと香りに包まれる骨組み

通常弊社では柱は集成材を使用しています。自然素材をお薦めしている弊社なのにって言われそうですが一般的な無垢の柱は動きます。気密性が求められる昨今、やはり安定する構造材の方が将来的な気密性が損なわれません。また、壁に漆喰を使用することの多い弊社の住まいでは割れ防止にも繋がります。
防火構造の関係で柱は壁の中に隠れてしまうことと、漆喰は集成材のVOCを吸着する効果もあるので構造材の安定性を優先するために集成材を使用しています。

今回はお施主様のオーダーで柱に無垢の桧を採用しました。桧は古くから寺社建築にも使われるほど耐久性に優れた材料です。ただし、一般的な製材の桧は強度のばらつきがあり含水率(木の中に含まれる水分量)が20%です。そのため無垢材を採用するとき弊社ではJASの認定品を使用します。JAS認定材は一本一本強度試験を行い含水率も15%以下で、品質が安定しているため、安心してお住まいを支えることができます。

梁に関しても基本は無垢材を使用しながら強度が必要となる部分及び階段や吹抜廻りの木の動きが影響の与える部分は集成材を使用しております。適材適所で使い分けております。

■ こだわり②:安心の構造設計 ― 耐震等級3 × 許容応力度計算

見学会では、ただ木材が並んでいるだけではありません。
エッグ住まいる工房の住まいは、すべて耐震等級3(最高等級)で許容応力度計算による構造設計を標準としています。
許容応力度計算とは、柱一本、梁一本にかかる力を数値で確認し、安全性を「計算」で裏付ける方法。壁量計算だけに比べて、ずっと精密で安心できる設計手法です。

■ こだわり③:揺れを抑える制震装置 Kダンパー

今回の構造見学会では、さらに制震ダンパー『Kダンパー』を設置した状態をご覧いただけます。耐震等級3で“耐える”だけでなく、Kダンパーによって“揺れを吸収する”ことができ、繰り返し地震にも強い家になります。
完成すると壁の中に隠れてしまう装置ですが、構造見学会ではその仕組みや動き方がよくわかり、「家の揺れがどう減るのか」「なぜ必要なのか」を具体的にイメージしていただけます。

■ こだわり④:断熱材の「本物の密度」がその場でわかる

セルロースファイバーは、ただ入れればよい断熱材ではありません。性能をしっかり発揮させるためには、適正な密度で隙間なく吹き込む施工技術が命 です。
見学会では実際に・ホースで壁の中に吹き込む迫力・パンパンに詰まっていく様子・重さを感じるほどの高密度充填をご覧いただけます。パンッ!と指で叩くと弾力のある詰まり具合。これが後々の“断熱力”と“防音性能”に直結します。

こだわり⑤:驚くほどの 防音性 をその場で体験

セルロースファイバーのもう一つの魅力は、木質繊維ならではの 優れた防音性能 です。
吹き込み後の壁に近づいていただくと、外の音がふっと遠くなる感覚、空気の密度が変わるような静けさを感じられるはずです。
実験道具も用意しておりますので、「これだけ静かになるんだ」という違いを強く実感していただけます。

こだわり⑥:冬あたたかく、夏は涼しい理由が“目で見て理解できる

セルロースファイバーは、断熱性能+調湿性能+蓄熱性を兼ね備えた、自然素材ベースの高性能断熱材です。
見学では、・壁いっぱいに隙間なく詰まった状態・コンセント周りや細かい部分までの丁寧な施工・屋根・天井にもびっしり吹き込まれた断熱層を見ていただき、「これなら冬寒くない理由がわかる」と納得していただけると思います。
夏のジメジメを抑える“調湿性”も、自然素材だからこそのメリット。湿気を吸ったり吐いたりすることで、心地よい空気環境をつくります。室内の湿気を外部に出すメカニズムなんかもご説明させて頂きます。

こだわり⑦:防火性能の秘密 ― 紙なのに燃えない!?

セルロースファイバーは新聞紙が原料ですが、火を当てても表面が炭化するだけで燃え広がらない・炎を吸着して鎮火を早めるという特性があり「紙なのに、なぜ燃えないの?」という疑問にもしっかりお答えします。
施工中の断熱材を手に取って確認できる見学会だからこそ、その性質を理解しやすい瞬間です。

こだわり⑧:構造と断熱、セットで見ると“住まいの本質”が見える

今回の見学会はJAS桧の構造 × 耐震等級3 × 許容応力度計算 × Kダンパー × セルロースファイバーという、エッグ住まいる工房の住まいづくりの核心を一度に見られる特別な機会です。
構造は「命を守る部分」。断熱は「暮らしの質を守る部分」。どちらも完成したあとでは触れられず、我々の考え方がもっともストレートに現れます。

最後に

セルロースファイバーの吹込みは、図面では伝わらない“体験型の性能”です。
・ドサーッと壁に入っていく音
・パンパンに詰まった壁の手触り
・施工精度の高さ
・施工する職人の技量 で、
住まいの性能がどうつくられていくのか深く理解いただけるはずです。
構造と断熱。住まいの“見えない部分”を一度にしっかり見ていただける貴重な日ですので、ぜひお気軽にご参加ください。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

https://www.egg-jp.com/event/event-22286/

この記事を書いた人

長野 孝彦

エッグ住まいる工房 代表取締役社長/設計担当 現在エッグ住まいる工房で建てる新築のお住まい全ての設計を担当している建築士。建築業界に携わり30余年、累計300棟以上の住まいづくりに関わってきた。デザイン、機能性、メンテナンス性、そしてお施主様のリクエスト。それらをバランスよく取り入れて暮らし方を提案することを得意としている。

著者のすべての記事を見る