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注文住宅とは?分譲住宅との違いやメリット・デメリットについて解説

注文住宅という言葉の意味

注文住宅という言葉を皆さんご存じでしょうか。一戸建て、一軒家のマイホームを手に入れる時の方法のひとつで、多くの場合
◎出来上がったものを買う=「建売」または「分譲住宅」
◎自分たちで間取りや仕様を決めて作る=「注文住宅」
というイメージだと思いますし、そのイメージに間違いはありません。今日はその注文住宅と分譲住宅について、もう少し細かな違いを解説していきましょう。

ご案内は私エッグ住まいる工房の竹澤貫がお送りいたします

注文住宅の種類について

注文住宅にもいくつか種類があり、ここでは大きなくくりで分類を説明します。

フルオーダー 完全自由設計

タイプ:設計事務所、工務店、ハウスメーカー(ハイグレード)
◎間取り・・・完全フリー設計
◎設備 ・・・メーカーやグレードなどにも制限無し
◎打合せ・工事期間・・・およそ1年
◎コスト・・・高い

セミオーダー 自由設計

タイプ:工務店、ハウスメーカー(ミドルグレード・ローコスト)
◎間取り・・・ルール制限有り
◎設備 ・・・メーカーやグレードに縛り有り
◎打合せ・工事期間・・・およそ8~10ヵ月
◎コスト・・・各社の定める制限によるが、多少割安

規格型住宅 パッケージ

タイプ:工務店、ハウスメーカー(ミドルグレード・ローコスト)、建売ビルダー
◎間取り・・・パッケージからの選択制(一部間仕切りなどは変更可能な場合も)
◎設備 ・・・住宅会社指定のカタログからの選択制
◎打合せ・工事期間・・・およそ6~8ヵ月
◎コスト・・・割安

規格型住宅については別のまとめもあるためそちらもご覧ください。
自由設計と規格型住宅について

注文住宅と分譲住宅の違い

それでは注文住宅と分譲住宅には一体どんな違いがあるでしょうか。表面的な違いについては一見すればわかる通り、「自分たちで決めて作る家」と「もともとできていて買う家」の違いですが、その違いをもう少し細かく見ていきましょう。
※ここではどちらも土地がない方を対象にした比較となります。

 注文住宅分譲住宅(建売)
コスト高い安い
立地条件総額を抑えるために
駅から離れる傾向にある
総額が安いため
駅近くで検討可能
建物性能同等もしくは上回る同等もしくは下回る
間取り①自分たちの暮らし方に合わせて
作ることができる
出来上がった間取りに
自分たちの暮らし方を合わせる
間取り②完成するまで
具体的なイメージが湧きにくい
完成しているため
実物を見て良し悪しが判断できる
設備デザインや手入れのしやすさなど
希望に合わせて選択できる
一般的な設備がついている
メンテナンス将来のメンテナンス性を
意識した選択ができる
メンテナンスコストはあまり
考慮されていない場合が多い
工事中できていく過程が見れるできていく過程は見れない

分譲住宅(建売)のメリット

分譲住宅(建売)には、注文住宅にはない明確なメリットがいくつかあります。

◎実物を見れる
・・・注文住宅のデメリットともいえるのが、この「出来上がるまでわからない」というところ。それに対し、分譲住宅は「実物を見て気に入るかどうか判断できる」という大きなメリットがあります。

◎立地条件が良い
・・・分譲住宅を取り扱う会社の多くは、注文住宅を作る会社ではなく、ハウスメーカーか不動産屋です。
不動産屋は
◆すぐに売れそうな良い立地の土地を買う=建売分譲住宅として家をつけて販売
◆決して良い立地ではない土地は買わずに仲介する=売れるのを待つだけ
ということが可能です。そのため、一般に流通している物件に比べ良い立地での建築ができます。

◎すぐ手に入る
・・・入居まで時間のかかる注文住宅と違い、契約のハンコを押すと1カ月足らずの手続きですぐに入居ができるようになります。仕事やお子様の学校などの事情で急いでいる場合などは特にこの速さは大きなメリットになります。

分譲住宅を作る会社、ハウスメーカーと不動産屋

ハウスメーカー

大きな土地を仕入れることができる資金力があるため、その土地を5区画、10区画に分けて販売できる。そのため、土地の仕入れ額を5件に割る、10件に割ると土地だけで販売しても利益が得られる仕組みです。こうしてハウスメーカーによる「建築条件付き」という土地が生まれるわけですね。

...ここでちょっと雑談
ハウスメーカーが分譲住宅を作る理由
※これは竹澤が過去ハウスメーカーにいた頃の分譲営業課の話が混ざります。すべてのハウスメーカーがこの通りではありません。

<<現金化が早い>>
家を作る工務店やハウスメーカーという会社は、お客様から「契約」を頂いてから、実際に売り上げになるタイミングである「引渡し」までに時間がかかります。早くて半年。長い場合1年のブランクがあることとなります。そうした中、この分譲住宅というのは、「契約」から「引渡し」までの期間がとてもはやく、そのため会社として売上のコントロールがとてもしやすいというメリットがあります。

<<お客様の案内用>>
分譲住宅の在庫があると、新規のお客様に対し「標準仕様」を実物で説明できる見学会が常にできるというメリットがあります。また、売れ残っている期間は常に「完成見学会開催」というイベントができることもまたハウスメーカーにとっては大きなメリットです。

<<営業難易度が低い>>
形の無いものの販売・プレゼンテーションに比べ、実物を見せながら説明が可能なため新入社員がまず配属される部署でした。新人教育マニュアル上の流れとしても必要とされていた背景はありました。

不動産屋(ビルダー)

ハウスメーカーと異なり、1区画2区画の立地のいい土地を仕入れた際に、建売分譲住宅を建築して販売する例がとても多いパターンのもの。不動産屋にとって土地の販売だけではあまり利益が見込めない場合、建物を作り、その建物できちんと利益を取るというシステムのためにある販売手法です。
建売分譲住宅を購入する決め手のアンケートの第一位「立地がよかったから」(68.1%)と、回答されている通り、建売分譲住宅では買うお客様側も、作る不動産屋さん側も家のことはあまり重要視しない傾向にあります。特に上の表の通りで、将来的なメンテナンスコストについてはあまり考慮されていない場合が多くあります。

◎耐震性能 ◎断熱性能 ◎気密性能
◎メンテナンス性能およびコスト(何年目に何にいくらかかるか)


このあたりのことは担当者さんに聞いてみるようにしましょう。

注文住宅と分譲住宅のコスパの話

いかがでしたでしょうか。ご覧の通り、注文住宅と分譲住宅(建売)には、明確な優劣はありません。注文住宅には分譲住宅にはない暮らし方の魅力や、メンテナンス性などのメリットがありますし、また、分譲住宅には注文住宅にはない立地の便利さや、すぐに手に入るという利点があります。
注文住宅と分譲住宅の比較の際によく「コスパ」という単語が出てきます。コストパフォーマンス。つまりかける費用に対してどのぐらい満足度が得られるかという話。そうした中で、注文住宅に比べ安価な分譲住宅は「よりコスパがいい」という扱いになってるらしいです。
ですが、それはあくまで住み始めてすぐぐらいのアンケート結果が元になっているケースが大半です。つまり、メンテナンス費用が「コスト」として認識されていない状態の比較になっている場合がとても多いということです。

もちろん中にはメンテナンスコストのことも細かく考えられた分譲住宅もあります。その場合の分譲住宅は、注文住宅に比べると「まぁ安いな」くらいの価格設定になっていることが多いです。いい家。
大量発注によるコストダウン、いわゆるスケールメリットというのは確かに存在するため、分譲住宅が割安に手に入ること自体は事実ですが、全く同じ材料で同じ大きさの家を建てたとして、スケールメリットで1000万円程までも差が出ることはさすがにありません。

そんな将来的なメンテナンスコストも含めてコスパを考えておきたいところです。