照明スイッチの高さはどれぐらいにするのがいいの?
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1.一般的な照明スイッチの高さ
皆さんの家や公共施設についている照明スイッチの高さ。これまであまり何センチと意識したことがある方はあまり多くないのではないでしょうか。
これは110cm~120cmが一般的。
さて、今日はそんな照明スイッチの高さについて、先日お打合せの時に話題に出て「なるほどなぁ」と思った話があるのでお話していきます。
みなさん初めまして。茨木市で自然素材の注文住宅を建てる工務店
エッグ住まいる工房 竹澤貫 と申します。
2.110cm~120cmの理由
そもそもこのスイッチの高さは何が根拠でこの高さになっているのか?という話。僕たちにとってはあまりに日常的なものなので、120cmなの?と、あまりこの高さについて考えたことがなかった話ですが、古くからこの高さが「一般的」として語られてきました。
◎成人した大人が力を入れやすい、押しやすい高さ
家具、家電、空間設計の話の時によく出るキーワード「人間工学」
人が無理なくストレスなく動作をするのに適している数字を導き出す考え方ですが、このスイッチ高さも例に漏れずそれがまず前提とあるようでした。
◎90cmの高さの家具が無理なく置ける
これもなるほど。建築には古くから使われている「尺」という単位が今なお残っていて、3尺=91cmです。
既製品のドアや棚などは、この尺基準で作られているものが今でも多く、無理なく収められるというわけです。
◎身体が覚えている「いつもの高さ」
今日び暗闇の中でスイッチを探し回らなければならないようなことは無かろうかと思いますが、僕たちは数十年の人生で幾度となく「110cm~120cmのスイッチ」を押してきました。
当然のようにそれは身体が覚えていて、自然な動作でオンオフができる点は特徴であり、メリットとも言えるかもしれません。
3.照明スイッチの高さを変えるという選択肢
さて、そんな照明スイッチですが、この一般的な高さ110cm~120cmに収めることのデメリットもあります。こうして近年では100cm、90cmとスイッチの高さを下げる選択肢が生まれました。高さを下げるメリットについて少し考えてみましょう
◎使いやすく、家族の身長に合わせる
「人間工学」となんとも大層な話を前項でしましたが、身長150cmの人と180cmの人とで力のかけやすい高さは当然変わります。
また、ドアレバーの高さは一般的に90cmちょっと程度のことが多く、ドアノブに手を伸ばすのと同じ動きの流れの中でスイッチをオンオフできる。これはオーナー様から言われて「なるほど~」となった部分です。
◎車いす、イス、子ども、お年寄り
これはユニバーサルデザイン という考え方になるのですが、より万人が使いやすいデザインにすることを指します。スイッチの高さもまたその考え方で、誰もが使える高さに設定するというのも、高さを変える大きな理由のひとつです。
◎視界から外す
人間はイスに座ると目線の高さが概ね120cmになります。だから、このスイッチの高さを同じ高さにして視界に入れるのではなく、視界から外れる高さにする。という考え方なのだそうです。
ただしこれには注意が必要で、過去にユニバーサルデザインで照明スイッチ配置をした家を1件だけ僕は担当したのですが、そのお客様は入居後照明スイッチについてこう語っていました。
「普段見るのと違う。って感覚がどうしてもぬぐえなくていつまでも違和感がある」
使いやすさとはまた違うメンタル面でのお話でした。
4.注文住宅では自由に変えられる
いかがでしたでしょうか。
スイッチの高さやコンセントの高さというのは、注文住宅では基本的に自由に変更のできる要素のひとつです。
そんな照明スイッチの高さひとつとっても、「その高さを選んだ理由」は持っておかないと、受け売りのみで選択して後悔することもあるかもしれません。
ぜひぜひリアルに想像してみて、じっくり検討してみてください。
この記事を書いた人
竹澤 貫 TAKEZAWA KAN
エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。