2026/04/08
セルロースファイバー 住まいの空気環境を整える断熱材

こんにちは。関口です。
住まいづくりの打ち合わせをしていると、「断熱材って何を使っているんですか?」という質問をいただくことがあります。
この断熱材というものは、完成してしまうと見えなくなる部分ですが、暮らしの快適さや家の耐久性にとても大きく関わる重要な部分になります。
私たちエッグ住まいる工房では断熱材に自然素材のセルロースファイバーを採用しています。
今回はこのセルロースファイバーという断熱材について、そして私たちがなぜ採用しているのかについて少しお話ししたいと思います。
セルロースファイバーってどんな断熱材?
セルロースファイバーは新聞紙などの古紙をリサイクルしてつくられる断熱材です。
これを細かく裁断し繊維状にして、壁の中へ隙間なく吹き込むことで断熱層をつくります。
断熱材と聞くと、暖かい家・涼しい家にするための材料というイメージが強いと思います。
もちろん、断熱性能も大切ですがセルロースファイバーの特徴はそれだけではありません。
ほかに【蓄熱性・吸音性・吸湿性・放湿性】といった性質も併せ持っている稀有な断熱材です。
よくある断熱材の比較の場面で言うと、熱伝導率の数字上で良し悪しを判断されているケースが見受けられますが、実際はそれだけでは快適に暮らすことはできません。
今回はその中でも吸湿性・放湿性といった「湿気」にまつわるお話です。
漆喰壁+セルロースファイバーで整う空気環境
室内の快適さは温度だけで決まるものではありません。
実生活においては、料理や入浴、洗濯などで室内には多くの湿気が発生します。
この湿気をどう扱うかによって、住まいの空気環境は大きく変わります。
エッグ住まいる工房の家では、室内の壁に漆喰の塗り壁を採用しています。
この漆喰は、室内の湿気を吸ったり吐いたりする調湿性や、生活臭を抑えてくれる消臭機能を持った自然素材です。
そして、その壁の中にはセルロースファイバーが入っています。
セルロースファイバーもまた、湿気を吸収したり放出したりする性質を持っています。
湿度の高い季節には余分な湿気を吸ってくれて除湿の効果を、乾燥する季節には湿気を放出してくれるため加湿の効果をもたらしてくれます。
このように室内の漆喰と壁の中のセルロースファイバーが一緒になって、室内の湿度をゆるやかに整えてくれるというわけです。
その結果、蒸し暑さを感じにくい、室内干しの湿気がこもりにくい、のどや肌の乾燥を感じにくいといった、目には見えないけれどもとても大事な、空気環境の快適さにつながっていきます。
透湿性のある壁構成が住まいを長持ちさせる
もう一つ、セルロースファイバーを採用している理由があります。
それは、住まいを長持ちさせるためです。
住まいの中では先ほど申し上げたとおり、日常生活によってたくさんの湿気が発生します。
壁の中で湿気が逃げ場を失ってしまうと、壁の内側の見えないところで結露が発生し柱などの構造材を傷めてしまうリスクが高まります。
そこで重要になるのが壁の透湿性です。
透湿性とは、湿気(水蒸気)を外へゆるやかに逃がしていく性質のことです。
私たちの住まいでは、
室内側から 漆喰 →石膏ボード →可変調湿気密シート →セルロースファイバー →構造用MDF →透湿防水シート →通気層 という壁構成になっています。
どれも透湿性を持つ素材たちで構成しています。
このように、湿気が外へ抜けていくことができる壁構成にすることで、壁の中が常に乾いた状態に保たれやすくなると同時に、壁内で結露が起こったとしてもすぐに乾燥しやすい環境になります。
結果として、構造材が長持ちし、住まい全体の耐久性にもつながっていくと考えています。
家族が健康に、そして安全に暮らせる毎日のために
ここまでご覧いただきありがとうございました。
断熱材というと、どうしても暖かい(涼しい)家にするための材料という印象が強いかもしれません。
ですが、私たちが断熱材を選ぶ理由はそれだけではありません。
住まいの中の空気環境まで整えてくれる素材を選ぶこと。
そして湿気がきちんと外へ逃げていく壁構成をつくること。
それが、家族が健康に暮らせる住まいをつくるうえでとても大切だと思っています。
見た目ではなかなか分からない部分ではありますが、こうした見えない部分を考えることが住まいの心地よさや耐久性を支えてくれると考えています。
マイホームを検討される際には、こうした部分にも少しだけ目を向けてみていただけると嬉しいです。






