そとん壁が持つ魅力とは。長く住み継ぐ住まいづくり 茨木市|注文住宅|工務店|自然素材

こんばんは 

自然素材の注文住宅を建てる茨木市の工務店、エッグ住まいる工房の長野です。

先日、今月末にお引渡しの現場の社内検査に行きました。外壁がそとん壁のお住まいです。弊社オリジナルの塗り方で色はW121(白)でおとなしめなのですがしっかり存在感を出しておりました。
今日は弊社で推奨するそとん壁を紹介します。

そとん壁。外壁に使う自然素材の塗り壁

私はそとん壁と出会ったのは約20年前。
当時勤めていた工務店では窯業系のサイディングがメインでたまに塗壁の要望があってもモルタルにジョリパット。あるこだわりにある友人が店舗の建て替えに検討している材料があると相談を受けたのが最初でした。借りた資料を読んですぐにほれ込みました。そんなそとん壁の開発には私の好きな建築家の伊礼智さんが関わられたそうです。伊礼智さんとそとん壁の関わりについては、過去弊社の藤岡が記事にしていたので、よろしければぜひそちらもご覧ください。

自宅でも使用しようと思っていたのですが決めた土地が幹線道路に面しており排気ガスの汚れが気になり断念しました。

そとん壁とは?素材について少し解説します。

そとん壁とはシラス台地のシラスを原料にした外壁材です。シラスとは細かい微粒子に無数の穴がある構造をしており、自然素材でありながら調湿製に優れ、無数にある空洞がにおいや化学物質であるVOCを吸着させる性能があります。

防水性と透湿性にすぐれているのですが通気工法で施工している弊社にはそれほどメリットとなりません。素晴らしいのは耐候性とメンテナンス性。無機質の天然セラミックは紫外線や風雨による退色や劣化が起こりにくく汚れも付きにくい材料になります。また、サイディングのようにコーキングを使わないためほぼメンテナンスフリーとなります。

そとん壁が持つ意匠性。デザインの魅力

そとん壁の良さは性能面だけでなく、意匠性にもあります。美しい人工物では表現できない本物の素材感と左官職人による唯一無二のテクスチャー。壁があるだけで存在感が感じられます。

塗りパターンも色々あります。パターンにより価格も変わります。あくまでもデザイン性の部分でそとん壁の性能は変わりません。弊社では一番安価なスチロゴテ仕上げに職人さんに注文してオリジナルのテクスチャーに仕上げるのが一番人気になっております。
そとん壁の塗りパターンの解説は別の記事で詳しく触れているので、そちらもどうぞ。

そとん壁を選ぶ際の注意点は?

さて、たくさんの魅力あるそとん壁ですが、選ぶ際に気を付けなければならないポイントも紹介します。デメリットと言えば初期コストがかかってしまうこと、施工の際に天候の影響を大きく受けてしまうため工期がかかることくらいでしょうか。
また、施工にはデリケートな素材であり気温の低い時期ですと白華現象といって白くぼやける場合が稀に起こります。慣れた左官業者に弊社はお願いしておりますので対処方法も心得ているのであまり心配はございません。

住まいの今のことだけを考えず、これからのことを考えてみて欲しいと思っています。

そとん壁は初期コストは少しかかりますが、メンテナンスコストが削減できるので長い目で見ればメリットしかないような外壁材です。
お住まいを建てる時は、高い買い物となるためつい目先の良し悪し、高い安いにとらわれてしまいがちです。ですが、私たちエッグ住まいる工房は、10年先50年先を見据えて、長持ちする家、先々のメンテナンスにお金をかけなくて済む家を作っています。
自分たちだけでなく、長く住み継ぐお住まいとして、じっくり検討してみて頂ければと思います。

この記事を書いた人

長野 孝彦

エッグ住まいる工房 代表取締役社長/設計担当 現在エッグ住まいる工房で建てる新築のお住まい全ての設計を担当している建築士。建築業界に携わり30余年、累計300棟以上の住まいづくりに関わってきた。デザイン、機能性、メンテナンス性、そしてお施主様のリクエスト。それらをバランスよく取り入れて暮らし方を提案することを得意としている。

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