2026/02/07
食べる栄養じゃない。「暮らしの栄養」という考え方
こんばんは。
茨木市にある自然素材の注文住宅を建てる工務店、エッグ住まいる工房の勝田です。
先日ふと「栄養のある自然素材」という言葉が頭に浮かびました。
もちろん、建材を食べようという話ではありません(笑)。
たとえば鉄製のフライパンだと、調理の副産物として鉄分が摂れる
そんなイメージで、「住まいも、間接的に何か“身体にとってのプラス”をくれることがあるのでは?」と思ったんです。
結論から言うと、住宅業界で「この素材は栄養が摂れます」といった言い方はまずしません。
食べ物ではないですし、体に効く・効かないの断定は誤解も生みやすい。
だからこそ私は、この話を“栄養”ではなく、暮らしのコンディションを支える副産物として捉えるのがちょうどいいと思っています。

たとえば、家の中に入った瞬間、鼻にツンとくるにおいが少ない。
乾きすぎたり、逆にジメッとしたりといった波が小さく、体感が安定している。
手すりや床に触れたときの「ひやっ」とした刺激が少なく、ふっと肩の力が抜ける。
そうした小さな積み重ねは、目立たないけれど、日々の疲れ方や回復のしやすさに影響します。
言い換えるなら、体を“元気にする”というより、元気を削る要因を減らす。
これが住まいがくれる副産物で、ある意味「暮らしの栄養」に近いのかもしれません。
自然素材が活きる場面は、意外と派手ではありません。
こうした体感は、栄養のように数値で測りにくい一方で、毎日の積算で効いてきます。
丁寧に暮らす人ほど、きっとここを大切にされるのではないでしょうか。
そしてもう一つ、忘れてはいけないのが「素材」だけで完結しないことです。
住まいの快適さや健康感は、断熱・換気・日射・温湿度のコントロールといった住宅性能の土台があってこそ、素材の良さが素直に出てきます。
逆に言えば、どんなに良い素材でも、寒暖差が大きかったり、乾きすぎたり、湿りすぎたりすると、人の体は先に疲れてしまう。
だから私たちは、素材を“主役”として語るだけでなく、暮らしの環境全体をどう整えるか。
その中で自然素材が担える役割を丁寧に考えたいと思っています。
「栄養のある自然素材」という言葉は、少し詩的で、少し誤解も生みやすい表現です。
でも、雑談としては案外本質を突いている気もします。
住まいは、ただ雨風をしのぐ箱ではなく、そこに住む人のコンディションを静かに支える道具でもある。
良いものを手入れして長く使うように、自分の身体もいたわりながら暮らす。
その延長線上に、自然素材の住まいがそっと差し出してくれる“副産物”がある。
そんなふうに考えると、家づくりが少しだけ身近で、少しだけ楽しくなる気がします。





