大阪・関西万博 今ならではの木造建築物「大屋根リング」の楽しみ方

こんばんは!

茨木市にある自然素材の注文住宅を建てる工務店、エッグ住まいる工房のフジオカです。

 

大阪・関西万博閉幕まで3週間を切り、連日来場者数20万人を超える盛り上がりを見せています。

おかげで各パビリオンは中々予約が取れない状態。

そんな予約がなくとも十分万博を楽しめる情報はたくさんありますが、ここはぜひ今回の大阪・関西万博のシンボルである世界最大の木造建築物「大屋根リング」の魅力を改めてお伝えしておきたいと思います!

 

この「大屋根リング」、いつかプロジェクトXで紹介頂きたいくらい、さまざまな取り組みや色々な挑戦がされています。

 

まず、皆さま既にご周知のことかと思いますが、清水寺の舞台で見られる「懸造(かけづくり)」と呼ばれる伝統的な工法で、釘をほとんど使わず、木と木を組み合わせる仕口・継手によって支えられており、大屋根リングにもその工法が採用されているということ。

金物やボルトに頼りすぎず、伝統的な木組みの技術を現代のスケールに拡大して応用しています。

 

大屋根リングの建築作業は主に「竹中工務店など」「大林組など」「清水建設など」の3社で分担しており、会社により楔(くさび)の違いを見つけるのも、この大屋根リングの楽しみ方の一つだと思います。

 

楔を見ると竹中工務店さんの工区なのが分かります(笑)

 

 

次は、やはり大屋根リングの上「スカイウォーク」を歩く。

 

こちらも既にご周知、地上12mレベルに広がるデッキやスロープによる高低差によって、リング内外のパビリオンの様子や瀬戸内海の風景、大阪・神戸の街並みなどさまざまなものを見渡すことができることももちろん楽しみの一つです。

が、実はさらに、「スカイウォーク」は、リングを大きな時計に見立て、咲く花によって季節の移ろいを体感できる風景をつくるようデザインされているんです。

リング全体に大きくうねる流れのある空間をベースにグラデーショナルに変化する緑の植栽配置を計画されています。

 

また大屋根リングから見るきれいな夕陽もよく話題になりますが、これも実は夕日から夜空となる時間帯を繋げるよう細やかな照明計画がされているようですよ。

 

 

最後に、「今」しか見られないものだからこその魅力。

 

これもご存知の方はご存知、「大屋根リング」は建築基準法上「仮設建築物」として建築されています。

「仮設」という単語からも想像できますが、「仮設建築物」の要件に「1年以内の期間」とあり、解体することが前提となります。

そして、「仮設建築物」であれば、一部の建築基準法の適用を除外することができるんです。

 

日本は、木造建築の伝統的ものにおいては最先端ですが、現代的な木造建築では世界的に後れていると言われています。

そこには、『耐震』と『耐火』を考慮した安全性重視の厳しい規制があるため、新たな木造建築を建てようとするには、チャレンジしづらい現状があるようです。

 

なので、「今」のところ、この万博会場でしか見られない「大屋根リング」ぜひぜひ堪能してください!

 

お時間・ご興味のある方は、竹中工務店さんや大林組さんのホームページにて、この「大屋根リング」の取り組みについて、より詳しく紹介されているので見てみてください。

 

今、建築業界が抱えている問題にもさまざまに取り組まれていて、同じ業界に身をおくものとしてもとても勉強になりました☆

この記事を書いた人

藤岡 絵美

エッグ住まいる工房 設計・リフォーム営業担当 二級建築士とインテリアコーディネーターの資格を持ち、新築・リフォーム問わず設計目線でお客様の住まいづくりをお手伝いする。 住まいの「心地よさ」を最も大切にしており、その言語化することが難しい部分をお客様ととことんお話すること掘り下げて、実現できる提案に結び付けている。

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